"ファイブスター物語 14巻"はオールドファンにオススメ！

2018年2月10日発売の"ファイブスター物語 14巻"をレビューしたいと思います。

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ファイブスター物語とは永野護さんのライフワークともいえる長編マンガ作品です。タイトルはアルファベットの頭文字をとって"F.S.S"と呼ばれることもあります。

月刊ニュータイプでの連載は1986年に開始しているため、14巻発売の時点で32年近い年月がたっていることになります。

32年でわずか14巻という数字が示すように物語の進行するペースは非常にゆっくりで、9年もの長期間休載していたときはこのまま連載再開されず未完の作品になるのではないか噂になりました。

永野護さんといえば、"HUNTER×HUNTER"の冨樫義博さんや"バスタード"の萩原一至さんと並んで、長期休載からの連載再開がニュースになる漫画家として有名な存在だったりします。

＊）永野護さんは"漫画家"と呼ばれることに否定的で、自らを"メカデザイナー"と自称しています。

単行本6巻～8巻で描かれた"シーブル戦"を思いだされる展開が目白押しです。その時のメンバーも多く登場しますし、セルフオマージュといえるシーンも沢山あります。

そういう意味では、13巻以降に設定が大幅に変更されてしまった"F.S.S"ですが、根っこの部分では同じ世界が続いていて、昔からの読者を喜ばせようとするサービス精神を感じました。

魔導大戦の序盤にボスヤスフォートの手によって死亡してしまう剣聖ダグラス・カイエンですが、14巻では回想シーンに登場します。

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昔からいわれている、カイエン、アウクソー、クーン、バランシェ、アマテラス、リンスの関連する伏線をしっかりと回収してきた感じです。

たぶんオールドファンが最も喜ぶのは、このカイエンの登場ではないでしょうか？

12巻で突然不機嫌になってしまい、荒れ始めたラキシスによってフロートテンプルは崩壊の危機に見舞われます。

ラキシスの不機嫌をなだめる相談をアマテラスと"ちゃあ"がしている、というところまでは読み取れるのですが、具体的に電話でどのようなアドバイスをしたかまでは分かりませんでした。

ちゃあのアドバイスの具体的な内容が今回やっと明らかになりました。

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これは長年"F.S.S"を読んできたファンの期待に、作者が応えてくれたワンシーンであるように思います。

"F.S.S"は本編である漫画の進行スピードが非常に遅いため、休載中の空白期間を埋めるため？かどうかは分かりませんが、設定集やイラスト集がたくさん刊行されています。

ところが物語の進行が遅すぎるため、設定集に載っているキャラクターが10年待っても出て来ないといった例が多くあります。

14巻には"デザインズ"に掲載されているキャラクターを登場させて、設定集を購入してくれたファンにようやく応えてくれた感じです。

単行本収録の設定には載っていないキャラもいるので、これから"デザインズ"を購入するのもアリだと思います。

"F.S.S"を知る人には驚くべきことなのですが、今回14巻を発売するにあたって本誌ニュータイプの連載が休載となっていません。　

単行本発売と本誌連載をなんと同時進行で行っています。オールドファンにはちょっとビックリ！ですよね。

なんと14巻を読んだあとにニュータイプ2018年3月号ですぐに続きが読めちゃうんです！

13巻の大幅な設定変更でガッカリした人も多いと思いますが、やはり"F.S.S"の最大の魅力は個性豊かなキャラクターたちで、その魅力は少しも色褪せてません。

"レディオス・ソープ"や"ラキシス"が活躍する話を読みたくなったら、14巻オススメですよ！

ブックとノートとメモと？