「怖い絵展」が絶賛開催中の上野の森美術館に行って来ました!
- 怖い絵とは?
- 怖い絵展とは?
- 「レディ・ジェーン・グレイの処刑」とは?
- 「飽食のセイレーン」とは?
- 混雑状況など
- グッズ・お土産など
- 紙兎ロペ x 怖い絵 アートフレームガチャ
- 館内の撮影スポット
- 最後に裏話など。
怖い絵とは?
”美術館に飾られている美しい絵画には、実は様々な残酷なストーリーや人間の醜い姿が隠されている・・・”そんなテーマで綴られたベストセラーが中野京子著『怖い絵』シリーズです。
- 作者: 中野京子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 文庫
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絵画への深い考察で綴られたエッセイ集であるため、絵画が好きな人だけでなく西洋史が好きな人にもオススメな内容となっています。
カーサ ブルータスのこちらの記事もオススメです。
怖い絵展とは?
「怖い絵展」とは「怖い絵」シリーズの著者、中野京子さん特別監修による名画80点を一同に集めた絵画展です。
描かれた時代背景やバックストーリーを知ることにより、絵画を観た人の想像力が掻き立てられ絵画の裏に隠された真の怖さをあじわう事が出来る・・・。絵画を視覚だけで観るのではなく「読み解く」ことを主題としているのが「怖い絵展」です。
兵庫会場:兵庫県立美術館
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内]
■会期:2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝) ※月曜休館(9月18日は開館)
■開館時間:午前10時~午後6時 (金・土曜日は夜間開館、午後8時まで)※入場は閉館の30分前まで
東京会場:上野の森美術館
東京都台東区上野公園1-2
■会期2017年10月7日(土)~12月17日(日)※会期中無休
■開館時間:午前10時~午後5時 ※入場は閉館の30分前まで
※)好評につき、東京展の開館時間が前倒し・延長となっています。実際の開館時間については、日程により変わるため詳細は公式サイトをご覧下さい。
「怖い絵」展 | オフィシャルホームページ 見どころやチケット情報など 2017年 兵庫県立美術館・上野の森美術館にて開催
「レディ・ジェーン・グレイの処刑」とは?
悲劇の女王レディ・ジェーン・グレイはイギリスでは「9日間の女王 9 days queen」として知らない人はいない著名な歴史上の人物だそうです。弱冠16歳の女王ジェーン・グレイが今まさに処刑されようとしている歴史上の場面を描いた絵画が「レディ・ジェーン・グレイの処刑」です。
イギリス(イングランド)の女王といえばエリザベス一世が有名です。
エリザベス一世の一代前のイングランド女王はメアリー一世という人でした。
レディ・ジェーン・グレイはこのメアリー一世のさらに一代前のイングランド女王で、イングランドで初めて王となった女性です。
この時代、立て続けに女性が王位についていますが3人とも同時代の人です。
当時のイギリスは清教徒革命が起こる少し前、カトリック系の王侯貴族とプロテスタント系の王侯貴族が血で血を洗うような権力闘争を繰り広げていました。
弱冠16歳で自分の意志とは関係なく王位についたジェーン・グレイは、権力闘争によってわずか9日で王位から引きずり下ろされてしまいます。そしてジェーンが再び王位に祭り上げられることを恐れたため、反逆罪で断頭台へ送られてしまうのです。
ジェーン・グレイが処刑された歴史上の事件をもっと知りたい人にはこちらがオススメです。
ちなみにエリザベス一世と同時代の人ではスコットランド女王メアリー・スチュアートという人もいるのですが、ジェーンを断頭台に送ったメアリー一世(ブラッディ・メアリー)とは別人です。
スコットランド女王メアリー・スチュアートはジョジョの奇妙な冒険に悲劇の女王として登場するため、日本ではこちらのほうが有名かもしれません。
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1988/04/01
- メディア: コミック
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少し話が逸れました。
「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の作者はポール・ドラローシュです。ドラローシュは19世紀のフランスの画家で中世イギリスの歴史上の主題を得意としました。ジェーンが処刑された約300年後、フランスの画家ドラローシュによってドラマチックに描かれたのがこの作品、というわけです。
この絵画は日本の文豪・夏目漱石がロンドンに留学したさいにナショナル・ギャラリー(テート・ギャラリー?)で目にしたと言われています。
留学中にジェーンの処刑の舞台となった「ロンドン塔」にも訪れており、その体験をもとに随筆「倫敦塔」を執筆したと言われています。面白いですね。
- 作者: 夏目漱石
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「飽食のセイレーン」とは?
「レディ・ジェーン・グレイの処刑」以外の絵を一枚挙げるとしたら私はギュスターヴ・モッサ作「飽食のセイレーン」をあげます。
ギュスターヴ・モッサは19世紀のフランスの画家で、神話や聖書をモチーフにした幻想的な作品で知られています。現代のゲームや漫画に出てきそうなファンタジーな世界を得意としているため、クリエイターさんには密かな人気があるみたいですね。
もう一つ。
この絵はタレントのベッキーさんに似てるということでも密かな話題になりました。不倫騒動でイメージを落としてしまったことと残酷なセイレーンのイメージが重なるのでしょうか?(笑)
この絵は油彩(いわゆる油絵)で描かれた作品ですが非常に立体感のある印象を受けました。館内はかなり混雑していますが、出来れば近くで鑑賞したり離れて鑑賞したりすると、立体的な奥行きが感じられて面白いと思います。。
混雑状況など
「怖い絵展」は東京展の開催当初はそれほど混雑していなかったようです。「怖い絵展」公式ツイッターを見るとその日の混雑状況を知ることが出来るので便利です。
テレビで紹介されてから少しずつ混雑しはじめて、私が行った10月下旬は平日午前中で40分待ちでした。
その後さらに混雑するようになり、酷いときは三時間待ちになっているときもありました。上野の森美術館は決して広い美術館ではありませんので、満員電車のような状態で三時間並ぶのはけっこう大変だと思います。ツイッターを見ながらなるべく空いているときに観にいくことをオススメしたいです。
上野駅から美術館に行く場合、駅の構内にあるチケット売り場で購入される人もいると思います。
美術館の入口にあるチケット売り場も混雑していますが、上野駅の売り場もやはり混雑しています。出来ればコンビニでチケットを購入してから上野に向かうことをオススメします。
グッズ・お土産など
館内はほとんど撮影禁止のため、代わりにグッズコーナーの写真を撮りました。これから観に行く人の参考になれば幸いです。
紙兎ロペ x 怖い絵 アートフレームガチャ
「怖い絵」展と「紙兎ロペ」のコラボによるガチャガチャです。グッズ売り場のレジ前からドアの外に出るとあります。
記念にうちの奥さんと一回ずつ回しました。一回400円、両替機あり。
ガチャガチャの中身は怖い絵展の絵画をパロディとしたイラストです。イラストは絵画の額に入っていて飾ることが出来ます。
館内の撮影スポット
上野の森美術館の「怖い絵」展は館内が撮影禁止です。そのなかで一ヶ所だけ記念撮影が出来るスポットが設けられています。
「オデュッセウスに杯を差し出すキルケー」を模したパネルに鏡がはめ込まれていて、鏡に写りこませることで一人でも記念写真が撮れるようになっています。
最後に裏話など。
「怖い絵」展の企画が持ち上がったのはなんと7年も前だそうです。
「怖い絵」展に相応しい絵を揃えるためにプロジェクトXばりに悪戦苦闘した様子がこちらの記事に記されています。
一部引用します。
次に「ジェーンを見に年間600万人が来館するのに、半年も貸せない」と言う。そこを値段交渉から何から粘りに粘ってようやく担当者の首を縦に振らせたはいいが、なぜか契約書にサインしてくれない。なんとそこから1年以上宙ぶらりんとなるのだ。館長がOKしてもサインしない。
現場の大変さがひしひしと伝わってくる文章だと思いませんか? 美術品が海を越えてやってくるということは大変な仕事を成し遂げているんですね。
この裏話は一度「怖い絵」展を観に行ってから読み返すと、また一段と面白さ深まってきます。観に行った人にもこれから観に行く人にもオススメですので、ぜひ読んでみて下さい。